Team Medicalは、医療従事者が所属する災害ボランティア組織です。消防本部及び、社協が運営するボランティアセンターと連携を図りながら、災害発生直後から最先端の現場で、専門職としての経験・スキルを活かして活動していただけます。今後起こりうる災害に備え、災害ボランティアに関心のある医療従事者を募集しています。
目的 | 災害発生直後の一刻を争う非常事態において、少しでも早い段階から一人の看護師でも良い、その場に居合わせてくれたら、助かる人がどれだけいるだろう。外傷や急な発病、持病の悪化も早期に対応すれば、軽症で済むかもしれない。高齢者、障がい者、乳児、妊婦、体調のすぐれない方などに対する的確な対応、パニック状態の人に対する優しい声かけをしてくれる人が必要です。Team Medicalは、公的な機関と連携を取りながら、最先端の災害現場に医療従事者を送り込む、その架け橋の役割を担います。 |
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活動内容 | 1.消防本部との連携:最先端の現場にサテライトを設置 災害現場における外傷者や発病者への対応 2.ボランティアセンター(社協)との連携:救護班としての役割 ボランティア参加者への注意喚起、活動現場への巡回 3.避難所の設置、運営 ※災害発生当日または翌日には現場に入り、登録いただいた皆様に状況を報告いたします。 ※個人での参加が可能です。仕事の休みを利用して1日から参加できます。 ※被災地での経験が、その後の人生に必ず役に立ちます。 |
活動報告
2020年7~9月 熊本県豪雨災害
■ 被災現場は、連日気温36~38℃で蒸し暑い状況でした。コロナ禍で初の災害で、マスク装着でのボランティア作業となり、熱中症の予防と早期発見や早期対応に努めました。
■ 球磨川流域。被災後2週間経過の床上浸水被害の家屋。断水、停電状態、救助入っておらず、住人が片付け作業をしていた。高齢者女性、疲労蓄積の様子だが周囲に気を使い動き続けている。涼しい場所へ誘導し経過観察。
⇒誰かが声をかけないと、自分からは休みにくい。
■ 廃材撤去作業中、近くの人が置いた(釘が出ている状態の)板が弾んで、大腿部に刺さった男性。創部観察、応急処置ののち病院搬送。
⇒釘の踏み抜き防止に(釘が貫通しない)インソール装着等、注意喚起を行っているが、思わぬ所に刺さることもある。
■ 19歳女子大学生:現場で活動開始するも10時頃から気分が悪くなり、現場で休んでいた。先生同伴の学生グループでの参加。12時過ぎ、現場巡回時に判明(気分が悪くなったのにボラセン〔ボランティアセンターの略〕への連絡なし)。軽度の熱中症症状。大学の先生に聞かれても自分の状態を伝えなかったが、看護師の問いかけに話し始める。直ちに冷房の効いた車内に収容。ボラセンで経過を見ていたが回復の見込みなく病院受診。点滴を受け帰宅(本人が入院拒否。翌朝まで一人にさせない事が条件)実家は沖縄。一人暮らし。本人と先生を新幹線の駅まで送る。
⇒バイトで寝不足、朝食を摂取せずボランティアに参加。体力には自信があったと言う。本人の「少し休めば良くなる」「せっかく来たのだから帰りたくない」という気持ちはわかるが、熱中症を甘く見てはいけない。命を落とすこともある。駅へ送る車内では体調が回復し食欲が出てきて一安心。「今回の経験が今後誰かの為に役に立つよ」と伝えた。
■ 企業からバス10台。団体によるボランティア参加。ボラセンから遠い災害現場に救護所(サテライト)を設置。午後2時過ぎ一言「帰る」と女性。様子がおかしい。聞くと軽度の熱中症症状。冷房の効いた車内に収容。着替え、冷罨法、経過観察。嘔気おさまり水分摂取可能。帰宅される。
⇒途中で何かあってはいけない。「ん?、変だな」看護師の勘が働く。
ボランティアセンター | ■ 熱中症の対応、外傷の処置、朝礼、終礼への参加 ■ ボランティアの皆さんを送り出す時に熱中症予防の注意喚起 ■ グループリーダーを決めて休憩と水分補給の周知 |
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現場の見守り | 熱中症を発症しやすい時間帯(11:30~13:30)にボランティア作業をされている現場を巡回し、頸部(頸動脈)の冷却や冷凍のアイソトニック飲料の配布を行いました。とても好評でした。 |